恵比寿駅東口から徒歩2分、ラ・レンヌ恵比寿の4階に2026年6月1日オープンした「ひき田」。赤坂の予約困難店として知られる「薪鳥新神戸」で長年大将を務めた疋田豊樹氏が、満を持して構えた独立店だ。カウンター8席のみの空間で、すでに予約の取りにくい状況が続いている。
コースはきさ輝地鶏の胸肉の取り合わせに始まり、鶏出汁の茶碗蒸し、鶏皮おろしと続く。薪火と炭火を使い分け、部位や食材ごとに最適な火入れを施すのがこの店の核心で、薪焼きのマッシュルームやパプリカといった野菜も主役級の存在感を放つ。パプリカを焼いた後のオイルは捨てずに取っておき、後に出る鶏胸肉のリエットに合わせる趣向も心憎い。比内地鶏のふりそでやふくらはぎといった希少部位、中のねぎの熱さに注意しながら手づかみで頬張る手羽ねぎままで、どの皿にも明確なインパクトがあり、鶏の旨味を真正面から感じさせる。
〆も畳みかける。鶏のネギトロ巻き、薪焼きニラをのせた甘辛い鶏そぼろご飯、そして山形の冷たい肉そばをイメージした手打ちの冷たい鶏そば。疋田氏は焼鳥の道に入る前に3年半手打ち蕎麦を学んだ経歴の持ち主で、その仕事が〆で生きている。仕上げは和三盆のミルクかき氷。濃さがありながら後味の切れがよい甘さで、コースの最後まで緩みがない。 薪と炭、2つの火が引き出す鶏の底力をカウンター越しに体感できる。焼鳥の新たな地平を見に、早めに向かいたい1軒だ。
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